粟国島のギンガメアジとは
粟国島のダイビングで見れるギンガメアジは、数百〜数千を超える数で巨大な群れ(アジ玉)を作ります。時にトルネード(竜巻)と言われるような大きな渦を巻き大迫力の光景がダイバーを魅了します。銀色に輝く個体が集団になり巨大な雲、大きな壁のように見えます。一般的に潮流が速い岩礁帯のポイントにいます。
トルネードの仕組み
ギンガメアジの群れは渦を巻くように動く場合があります。これがいわゆるトルネードと呼ばれる状態です。
- 敵から身を守る為
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巨大な塊になることで、自分たちを一つの大きな生き物のように見せかけ捕食者(サメやロウニンアジ等)を威圧し、身を守る為と言われています。捕食者が群れに突っ込もうとしても、無数の個体が目の前で複雑に動くため、ターゲットを1匹に絞り込めなくなる「目移り」の状態を作り出します
- 体力セーブの為
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円を描き渦巻き状の動きに続いて泳ぐことで全体が常に一定の推進力を維持しやすくなり、長距離や長時間の遊泳でも体力を消耗しにくくなります。効率よく移動するための知恵ですね
- 繁殖の為
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オスとメスが出会う確率を高め、一斉に放精・放卵を行うことで、卵が他の魚に食べられてしまうリスクを分散させる狙いがあります。
トルネードの見れる確率




粟国島のダイビングは1日3本筆ん崎で潜ります。よっぽどの大外しがなければギンガメアジの群れはほぼ高確率で見れますが毎回ギンガメアジがトルネードしてくれるかはまた別の話です。潮の流れが強すぎると岩陰や水底に張り付きますし、外的要因(ロウニンアジ等の捕食者)の影響があると巻きません(ロウニンアジ等の捕食者の動きが活発だと逃げ回ることが多い)。今までの経験的に潮が緩い(もしくは止まっている)時などが巻きやすいかなと思いますが、いろいろな条件が重ならないとトルネードしてくれないので「群れは見れたけどトルネードまではしてくれなかった」という方が多いと思います(トルネードの確率3~4割くらいです)
ベストな時間帯
早朝から午前中の時間帯は魚たちが最も活発に動き出す時間です。捕食のリスクを避けつつ、一日の活動を開始するために密集する姿が見られます。沖縄本島の船は早朝出発し7時頃には筆ん崎でエントリーできるようなスケジュールですのでこのベストに時間帯を狙うことができます。なお、シーズンに関しましてはギンガメアジベストシーズンガイドで解説しています

粟国ダイビングのポイント説明
粟国島にはいくつかポイントがありますがギンガメ群れやイソマグロなど大物狙いのダイビングでは南西にある筆ん崎(ふでんさち、と読みます)一択です。海況に問題なければ、筆ん崎周辺で3本潜ります。
水中の様子ですが水深は全体的に浅くフラットな地形です(水底は12~25mくらいです)。水中には大きな岩(根・瀬)がいくつかありその根・瀬を「1瀬、2瀬、3瀬、4瀬」と呼んでいます(この瀬、それぞれが大きく、離れた場所にあります)。この瀬の周辺にギンガメアジが群れていることが多いのです。流れの向き・強弱を考えてエントリー場所を決め、瀬周辺でギンガメアジを探します。粟国のダイビングは潮に乗りながらというよりもずっと一定のスピードで泳いで、ギンガメアジなどの大物を探すスタイルです。すぐに見つかると良いのですが、見つからない場合は1~4瀬すべてを周る場合もあるのでギンガメを見つけるまではエアーと体力を温存しておいてくださいね。
※ちなみに潮の向きですが、下げ潮(北から南側への流れ)と上げ潮(東から北西)です。現地ショップとの取り決めで浮上指定エリアがあるため比較的上げ潮時の方がラクに潜れますし、魚の居場所もわかりやすいといわれています。
上げ潮の場合ギンガメアジの群れは1瀬と2瀬の間(水路と呼ばれています)やその周辺にいることが多いです。下げ潮の場合は3瀬北側や4瀬の近くにいることが多いです。ロウニンアジ数匹がギンガメの群れに付いて威嚇しています。ロウニンが捕食モードに入るとギンガメが高速で逃げ回ります。イソマグロの群れも水路にいることが多いですが、2瀬のかなり水深浅め(5mくらい)をグルグル回っているときがあります。
ナポレオンフィッシュやホソカマスの群れ等は2~4瀬の間の浅め(10~15m)のところでよく見かけます。
サメ類(ハンマーヘッドやグレイリーフ)は、上げ潮時は1・2瀬の南沖合、下げ潮時は3・4瀬の西側沖合でよく出現します。最初にギンガメを充分見たら、その後のダイビングでは沖合コースを泳いで一発大物を探すダイビングも良いかもしれませんね(但し、この場合は内側に入らないのでギンガメは無視です・笑)。


注意点(ギンガメアジの観察方法)
- 泡を当てない
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誰しも潮上からギンガメアジの群れを観察したいところですが、潮上はダイバーの泡が当たりやすく、泡が当たるとトルネードを作ってくれても群れがバラけてしまいます。潮上にいるときは泡が当たらない場所で観察ください。また超運が良く自分の真上にギンガメが来てくれた場合はできるだけ吐いた泡を当てないよう注意が必要です。
- 着底して観察する
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これも群れをバラけさせない為です。ダイバーで囲むように着底して観察するとギンガメも同じところから移動せず、自然とトルネードしてくれることが多いです。
- 群れには突っ込まない
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「トルネードしているから中に入ってみたい」などの気持ちが働くときがあるかと思いますが、突っ込んでしまうと群れが割れてしまい、また逃げてしまいます。当事者は良いかもしれませんが、その方の行動で他の方が見れなくなる場合もあります。ガイドはその日に潜っているダイバー全員に大迫力のギンガメトルネードを見てもらいたいと考えております。ギンガメアジに限らず、群れ系には突っ込まないようにご協力お願いします。
位置取りのコツ(特に動画・静止画撮影するとき)
観察するとき、特に撮影するときは位置取りが大切です。流れの向き・光の入る角度を考えて位置取りしてください。筆ん崎は粟国島の南西のポイントなので早朝から午前中は朝日の入光を考えて朝日に背を向ける方向(東から西向き)で撮ると明るい写真や動画になると思います。またできれば潮上から撮りたいところですね(もちろん泡を当てないような位置取りで)。ということは上げ潮(東から西の潮)時が良いと思います(そう何から何まで上手くいかないとは思いますが、、、)。また潮の下手(しもて)にいるとギンガメアジの後ろ姿しか見れません。おまけにギンガメの糞が流れてくる(これ本当です)ので出来るだけ潮の上手(かみて)で位置取りするようにしてください(担当ガイドが導いてくれるハズです)
※ちなみに粟国のギンガメは深場で赤エビを食べているので、糞は赤いです(笑)
粟国でギンガメを狙うなら
- 一発狙いの海が好きな人
- 潮が速いポイントで何度かドリフトの経験がある方
- 大物や群れを見たい人
沖縄マリンクラブアン海況や潮の速さの影響もあるので複数日潜れるスケジュールを組むと成功する確率が高いです
ギンガメアジの群れを狙うドリフトダイビングは、粟国遠征ダイビングでご案内できます。

粟国島現地ショップとの取り決め
粟国島でダイビングするにあたり、現地ショップとの取り決め(ルール)があります。沖縄本島の船はこのルールを守ってダイビングしています
- 現地ショップと水中で被らないように①「~8時15分」、②「9時30分~10時15分」、③「11時30分~13時15分」という風に入る時間帯が決まっています。①の時間帯に合わせるには那覇を5時30分には出港したいので、必然的に送迎時間がかなり早くなります(4時30~5時くらいが多い)
- 浮上禁止エリアがります。具体的には1瀬~4瀬の内側や、1瀬の東側です。浮上するときはこのエリアからでないと上がれませんので潮の向きにかかわらず浮上エリアまでかなりの距離を泳ぐ場合があります
- 呼び鈴など「鳴り物禁止」というルールがあります。音を鳴らすことで魚にストレスを与えてしまう、という理由です。あまりカメラなどに集中しすぎず、数分に1度はガイドの位置を確認するなど周りをよく見てダイビングしてください
- 毎週木曜日は沖縄本島の船は粟国ダイビングができない(遠征しない)ことになっています。遠征しない木曜日はトライアングルダイビングでバラクーダを狙ったり、慶良間外洋ドリフトでジャイアントマンタを探すダイビングをお楽しみいただけます
粟国ダイビングの注意事項とスキル
粟国ドリフトダイビングコースは時に強い流れが発生する上級者向けポイントです。安全を最優先して以下のような基準を設けているショップが多いです
参加条件と必須スキル
- 経験本数100本以上、ドリフト経験豊富な方
- 深度に関わらずしっかりと中性浮力が取れる方
- エアーの持ちが悪くない方(容量大き目のタンクを準備してくれるお店もあります)
- スムーズな耳抜き・中層集合ができる方(潜降用ロープはありません)
- 多少の流れがあっても逆らって泳げる体力がある方
- 自分の事は自分で出来る方
- 多少の揺れの中でもEN・EX、器材組み立て・解除ができる方
必須器材
- 基本的に全てドリフトダイビングスタイルになりますのでシグナルフロートとダイビングコンピュータをご準備下さい(お持ちでない方は必ずレンタルしてください)
- ※潮流があるため、使い慣れたご自身の器材を使用、またフィンは潮流にも負けない硬めのフルフットフィンをオススメします。ストラツプフィンは非推奨(バラクーダフィンやカマスフィンなどのレンタルがあるお店もあります)
その他
- 海況が悪い場合、慶良間方面内海など穏やかなポイントに変更になる場合があります(当日の朝決定ということも多い)。毎回必ず行けるとは限りません。
- 経験本数が少ない方やブランクのある方、ドリフトダイブが初めての方、ご心配がある方などは、前日にチェックダイブされることをお勧めします
- かなり揺れた状況でのEN、EXとなる場合があります。
- ギンガメも一か所に留まっていない為、見れずにEXすることもあります

